下半期研究報告 報告者:Nくぽ
本部所では筋肉氏の復帰に伴い、凍結されていたプロジェクト「年上の妹開発計画」に再着手した。研究には多くの障害が立ち塞がったが、研究員達の妹に対しての異常なまでの熱意と筋肉氏の獅子奮迅の活躍により、ようやく年上の妹の理論付け(現在のところ2パターン)にまで至った。具体的な理論内容については別紙に記載しているので、本紙を読み進める前に確認のこと。(併せて「死んだ人間は歳を取るのか?」「異次元で戦う魔法少女の加齢について」「奇跡が世界を動かす」「妹と姉の境界」も参照すると良い)
上記のように輝かしい成果を上げることに成功した本部所ではあるが、新たな問題が我々を迎えた。それは妹の今後についてである。我々は妹を主人公よりも年上にするという一見矛盾している偉業を成し遂げようとしているのであるが、もし年上の妹というものが可能ならば、果たして妹というものは何なのだろうか、という疑問である。年下であること以外に妹を妹たらしめているものが他にあるのだろうか。そしてもはや年下ですらなくなってしまった妹とは一体どういった存在なのだろうか・・・といった想像に研究員は動揺を隠せないでいる。これまでは崇拝の対象になるほど強固なアイデンティティーを備えていた妹というものが、突如としてその輪郭を失い、今にも形を無くしてしまいそうなもののように感じられたようである。以前は「妹の可能性は無限大」と豪語し意気揚々としていた研究者たちの表情も、現在は精彩を欠いている。「関係性によって定義されているものに元より本質はない」と言うのは単純であるが、研究員達の混乱は相当のもののように見える。彼らは「自分たちは禁忌を冒してしまったのだろうか」と、最先端の学究に携わる者の宿命とも言える「倫理」との戦いに悩んでいるのである。
年上の妹を作ることが妹の可能性を限りなく拡大するということに議論の余地はない。しかし、そのことがかえって妹そのものを脅かすという事実は、妹を限りなく愛する研究員達にとってあまりにも残酷なものである。研究に支障をきたす可能性が高いため、早急な対処が必要である。
右派と左派による研究の停止もしくは年上の妹開発の強行はできることならば回避したいので、本研究所からも代替案、「かのように哲学の再興」を提示する。これは、例え妹の本質というものが存在しなくとも、あたかもそれが「あるかのように」振舞うことによって妹の決定的崩壊を防ぐ・・・というものである。(詳細は添付ファイルを参照のこと)
ツンデレ・メイドの台頭等、妹にとっては辛い時期ではあるが、願わくば本研究によって妹の時代が再び訪れることを願う。
この前「年上の妹できた?」とある人に追求されたのでとりあえずこれでお茶を濁してみます;;
いつか年上の妹に関するまともな報告書作ってみたいです。
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