筋肉氏について(まとめ)。 作成者 Nくぽ
筋肉氏
筋肉氏の生まれが秋葉原ではないということは、筋肉氏の人格形成に大きく影響を与えていると考えられる。「出産は秋葉原で」という風習が生まれたのは比較的最近のことであるが、その浸透は早かった。筋肉氏が秋葉原入りしたのは生後6週間の時点であったが、この数字は当時の首都圏内(特に萌え先進的地域)ではやや遅い方である。幼少期の氏はそのことに異常な程のコンプレックスを抱いており、両親に対して反抗的な態度で接していたようである。(注:子供は生まれや秋葉原入りの時期に対して敏感であり、未確認ではあるが筋肉氏も軽度の攻撃を受けていた可能性がある。要調査項目。)
筋肉氏のオタクとしての覚醒までの経緯は理想的なもので、小学校低~中期の一時兆候、そして中学校前期の2次兆候ともに問題なく迎え、高校において本格的なオタクとしての活動が始まった。(注:本記録では「オタクとしての成長」のモデルとして「性徴に呼応したオタクの成長」説を採用している)高校での氏は生まれのコンプレックスもあってか異常なまでにオタクに傾倒し、暇を見つけては秋葉原に通いつめ、自らの青春を仮想現実の世界に葬り去った。
既に高校時代から逸般人として世に認知され、将来が有望視されていた氏は、高校卒業後佐々木エロゲーム大学(前身:代アニ)に入学した。大学での氏は電子社会学(当時は萌え系として文系理系が区別されていなかった)を専攻し,在学中から目覚しい才能を発揮していたものの、同時にいくつかの非人道的行動が散見された。(代表的なものとしては、道を歩くオタクを拘束し、マーキング及び発信機装着の上で放流。以後は全国に散らばる大学の観測施設でその行動を追跡調査…などがある)そんな筋肉氏が卒業研究として選択したのは、それまで専攻していた分野とはやや趣の異なる「萌えの変遷」であった。
論の概要は、
「萌えの対象は輪廻していてある種の円環構造を形成している。輪の構造はジャンル毎に異なり、新ジャンルの開発よって新たな切り口が生まれるが、どれも萌えの核心突くことはできず、萌えの本体の周りを周回するのみである。各ジャンルが形成する環は楕円形で、あたかも太陽を中心として回る天体のようなものである。よって各ジャンルそれぞれを惑星と見なすことで、萌えの変遷は天体図のような図式化が可能である。独自に作成した萌え天体図によれば、未来にいくつかのジャンル同士が中心から同軸上に重なるいわば日食のようなものが発生し、陰となる天体、つまり陰となる萌えジャンルは一時的に萌えを見失うことになる。そしてその時期には該当するジャンルのオタクが離散してしまう可能性が高いため、それを防ぐためには軌道に変更を加える、つまり新たなジャンルの開発が必要不可欠である。よって将来的には萌え開発チームを中心とした萌えの徹底管理を基盤とする萌え戦略が重要となる」
というものである。
この論に対する正式な評価はまだ下っていないが、氏は自らの提言通り、国立のキャラクター開発部の研究員となった。そこで氏は本部チームの開発員として、「デレのないツンデレ」を始めとしたいくつかの重要プロジェクトに携わった後、末端チームへ異動し、氏自身の発案したプロジェクト、「年上の妹開発計画」の指揮をとったものの、計画は失敗に終わり再び異動となった。移動先は今までとは系列の違う「極限微乳委員会」であった。
(注1:同委員会は独立した組織であり、特にロリ方面において絶大な権力を持つ。)
(注2:開発には失敗したものの、独立委員会からの引き抜きを受けた氏の出世は順調と言える。氏は同委員会を将来的な支持基盤としたかったものと考えられる)
委員会における筋肉氏
極限微乳委員会はただひたすらに極限の微乳を目指す特殊な組織であり、その研究は、画期的なモデルの開発ではなく、流体力学などの応用による理想的な形式美を探究することにあった。そして、乳の作成手法も、理想的なサイズのカップをキャラクターに装着する、というもので、いわゆる穏健派の派閥であった。その中で氏の開発した、「陥没乳首の応用もしくは胸部の強制掘削」によって作られる「窪んだ乳」、通称「へこみ乳」は、他の委員には到底受け入れられないものであり、氏の除名は全会一致で決定された。筋肉氏は「バストサイズを重視したあまり胸囲を無視した戦犯」、「美微乳を理解しない悪魔」などと批判されたが、実際には胸囲と外見だけでなく、今春より施行される「仮想空間における仮想人物に対する取り扱いに関する法」にも抵触する恐れがあったようである。
「仮想空間における仮想人物に対する取り扱いに関する法」について(成立までの流れ)
(注:法の内容等については実際の条文を確認のこと。)
そもそも萌えキャラクターとは個人の妄想に端を発するものであるが、バーチャルリアリティーの目覚ましい進歩によってそのイメージが仮想空間で緻密に再現されるようになると、萌えキャラは集団妄想以上のリアリティーを有するようになった。特に、各研究所・委員会の手で組織だったキャラ生成が行われ始めると、その生々しさは格段に向上した。同時にそういった微妙にリアルなキャラクターに対する取り扱いが急速に見直され始め、特に極めて非人道的な行為に関しては、上下評議会の付帯決議で「必要ならば立法も検討する」と宣言されて以来、開発者のやり放題に対する規制に向けた動きが強まった。そして遂に昨年に制定され、いよいよ今春に施行される運びとなった。
(注1:「現実と虚構の区別も付かない末期中毒者への救済法案」と揶揄されているものの、実際には人間にきわめて近い姿をした存在が超非人間的扱いを受けることによる社会的影響が考慮されたものと考えられる)
(注2:この分野におけるこれまでの判断は判例が中心となっていたが、結局のところ判例法とは個別事例で一般ルールを示すものではなく行動動機になり辛いこと、また法律よりも知識が得がたいことが問題視されており、今回の立法に至った)
(注3:本法律は裁判等における判断の指針を示すことでの萌え方面における法手続きの迅速化を目的とするものであり、刑罰規定は設けられていない。つまり類推適用が可能であるため、広範な適用が期待される)
(注4:条文は公・メーカー・倫理協会による三者協議によって検討された。協議ではメーカ側と倫理協会側が対立し、条文の採択には三者の合意が必要であったため、両陣営が各々に提言したものの多くは採択されず、自然の結果条文の大半は過去判例を明文化したものとなった。よって現段階では画期的な内容は盛り込まれていない。)
筋肉氏の今後
「萌え」の世界においてはそれが「萌える」と評価してくれる人間が不可欠である。その中で例え画期的ではあるとは言え、他人から非難を受けるようなキャラクター開発は特に新法が成立した現在においては危険を伴う。加えて筋肉氏はそういった批判に対する配慮をさほど重視していないようなので、状況次第では筋肉氏がこの世界から身を追われる可能性もある。その意味では筋肉氏が「極限微乳委員会」という支持母体を失ったことは誠に遺憾と言うほか無い。今の段階では筋肉氏によって再開されたプロジェクト、「年上の妹開発計画」が成功を収めるとともにできるだけ多数の人間の支持を得、氏のこの世界における地位が回復することを願うばかりである。
Nくぽ。
またノリで作ってみました。
筋肉氏の詳細キボンヌという要望に応えたつもりです。
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