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【2025年02月09日08:58 】 |
さいきんかいたもの
こんばんは、Nくぽです。

最近副部長さんに送った長文です。副部長さんはリア充ストーリーを所望のようですが勿論そうはいきません。

人名を元の名から「副部長」に置換してあります。
PC用の改行とかほとんどしてないので読みづらいかも。


今回も主人公は副部長、言うまでもなく童貞である。今回の副部長には叔父がいるようだ。
何故「ようだ」なのかと言うと、副部長自身叔父がいたのかはっきりとわからないのである。両親に叔父について訊ねても「そういえばいたようないなかったような……」とはっきりしない返事。もしいたにしても、相当に影の薄い人だろう。
副部長には、その叔父らしき人と会話を交わした記憶が、朧気だがある。

――記憶の中の副部長は非常に小さく、叔父らしき人は副部長の前で屈みこんでいた。真剣な目が印象的だった。自らが短い人生で得た教訓を伝えようとするかのような強いまなざしが焼き付いているため、副部長は彼との会話を忘れないでいる。
「……リア充は残酷だから、君が童貞と知ったらただじゃおかないだろう。」
「……見たところ、君が女の子とセックスできる見込みなんて万に一つもないだろう」
「……大丈夫、おじさんもそうだったがリア充に童貞だと気付かれることはなかった。おじさんが考え出した特別な方法のおかげさ」
「……事あるごとに他人の前でコンドームを買え」
「……ああ、叔父さんはそのおかげで皆から童貞と気付かれていない」
――これが副部長の覚えている全てである。他の事はさっぱり記憶にない。が、年頃になった副部長は叔父の言いつけを守るようになっていた。
副部長はおにぎりを買う時やお茶を買う時、勿論ちょっとガムを買う時でも、コンドームも一緒にレジに差し出すことを忘れなかった。この戦略は中学生の時までは有効に見えた。周りの者は、副部長がコンドームを買う度に驚いた様子を見せ――もちろん実際には引いてるだけなのだが――副部長はその反応を見るたびに「リア充を欺いてやった」と内心ほくそ笑んだ。

だが問題は他にあった。どんなに装っても、副部長は所詮童貞だから人付き合いが下手だった。勿論童貞だから他人をひき付ける素晴らしい長所を持っている訳でもない。元々大して付き合いは無かったが、人は副部長から離れていき、中学の終り頃になると、副部長と話をしようとする者はいなくなった。……例え童貞と知られなくても、どの道副部長は惨めなのである。こうなると副部長の心の支えは童貞がばれていない事ぐらいになり、副部長は益々コンドームを買うことに執着するようになった。

そうして副部長のコンドーム熱が異常に高まっていた頃、副部長に一通の葉書が届いた。その葉書の差出人の欄は空白で、裏には「コンドームじゃ全ては覆えない」とだけ書いてあった。副部長はこの言葉に一瞬どきりとした。はじめはクラスの者が何かを察して自分にこの葉書を送ったのかと考えたが、葉書の字は大人のもののように見えた。葉書の字にはもう一つ気になる点があった。自分の字に似ていたのである。自分の字と全く同じと言うわけではないのだが、書き方の癖と言うか、その雰囲気が自分のものと似ているように感じられた。が、いくら考えても心当たりは無かった。内容についても、「コンドームは端的に言えば局所を覆うだけであるが、急所に配置されるため、避妊はそれだけで事が足る。童貞隠しにしても同じで、コンドームは的確に童貞の急所を覆ってくれよう」と反論して満足し、一週間もするとその葉書の内容など忘れてしまっていた。

……高校はリア充の春である。副部長が高校生になると、周りの童貞だったリア充がどんどんセックスを始め、彼らの話の中にも段々と生々しいセックス関連の話も出るようになった。自然の流れで、非童貞を装っていた副部長にも度々性の話が振られるようになった。副部長はここが気合の入れどころと、精一杯見栄を張って返答をしたのだが、その受け答えが悪かった。リア充達は、普通の話や下ネタにはそこそこ受け答えをする副部長が、リアルなエロ話になった途端何も話さなくなったり、本に書いてありそうなことを言い出すのに違和感を覚えた。また、副部長がクラスの女性と話す時に、過度に緊張して不器用そうな行動を取るのにも不審を抱いた。

決定的な瞬間はある昼休み、副部長がいつものようにリア充達の昼御飯を買いに行かされている間に起こった。食事が来るまでの退屈凌ぎか、リア充の一人が副部長の鞄の金具をつまんだ。リア充がはじめからそれを意図していたのかはわからないが、鞄は突然勢いよく開き、やや張っていた鞄の中身が一気に外に出た。出てきた物は、大量のコンドーム、童貞向けのセックス指南書、童貞狩りもののAVと小説だった。副部長は、最初の頃は買ったコンドームを被せてみたり引っ張ったり穴を開けてみたりといじってみたりはしたのだが、所詮童貞だから使い道がある訳でもなく、また家に置いておくわけにもいかなかったので、とりあえず鞄にいれたままにして、多少数がまとまると、人が見ていないところで捨てるようにしていた。不運な事に、リア充が鞄を開けた時は数が結構溜まっていた時であった。
元々副部長に不審を抱いていたリア充達はこれらを見て、瞬時に事を理解した。
「あいつ……いやに気持ち悪いと思ってたが童貞だったのか」
「童貞のくせに馴れ馴れしくしやがって、戻ったらただじゃおかねえ」
リア充達は副部長を殺しかねない勢いだった。
そんな中、彼らを制止するリア充が一人いた。
「おいお前ら、それを元に戻せ」
リア充の態度は毅然としていた。そのリア充はリーダー格だったので、他のリア充達は幾分かの戸惑いと気まずさとともに副部長の持ち物を鞄に戻した。果たしてそのリア充に副部長に対する同情が生まれたのだろうか? 否、もちろん違う。そのリア充にとっても、童貞、特に副部長など何の価値もない屑なのだ。
「このままずっとあいつに好きにやらせて、あいつをいつまでも馬鹿にしようぜ」
リア充の提案に、周りの人達は「そりゃ名案」と喝采をあげた。副部長がこれから一生涯馬鹿にされ続けることになるということが、この瞬間決まったのである。副部長が童貞だと言うことはその日の内にクラス中の者が知ることとなり、童貞がばれていると知らないのは当の副部長のみとなる。そして翌日以降も、ずっと副部長は見透かされているとは知らずに非童貞を演じ続けるのである。

その時副部長は、リア充達の注文した昼食を腕に抱えて走っていた。昼食の上の良く見える位置に乗せたコンドームを見て、「ふう」と柔らかく微笑む。コンドームには感謝してもしきれない気持だ。もし心許せる新米の童貞に出会ったら、まず最初にコンドームを買うことを教えてやろう、と副部長は思った。
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【2009年07月06日19:00 】 | 趣味 | コメント(2)
コメント
無題
だが問題は・・・の段
「副部長と話しようとす・・・」→「副部長と話をしようとす」「副部長を話そうとす」
【2009年08月28日 12:35】| | ぴよらい #92c881edeb [ 編集 ]
Re:無題
>だが問題は・・・の段
>「副部長と話しようとす・・・」→「副部長と話をしようとす」「副部長を話そうとす」
【2009/09/01 21:03】
無題
修正しました すいませんです<(_ _)>
【2009年09月01日 21:04】| | Nくぽ #4cd5bbaa01 [ 編集 ]
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